PMTC(自由診療クリーニング)とPTC(保険クリーニング)の違いは?現役の歯科医師が解説!
- 山浦 泰明
- 7月8日
- 読了時間: 5分

「歯科医院でクリーニングを受けたいけれど、保険と自費で内容や効果がどう違うの?」
こうした疑問を持つ方は多いのではないでしょうか。
歯科医院で受けられるクリーニングには、大きく分けて、「PTC(Professional Tooth Cleaning/保険診療でのクリーニング)」と「PMTC(Professional Mechanical Tooth Cleaning/自由診療でのクリーニング)」の2種類があります。
どちらも歯の健康を守る大切なケアですが、目的・内容・費用・効果に大きな違いがあるため、最適なケアを選ぶためには正しい知識が欠かせません。
本記事では、現役の歯科医師が両者の違いを分かりやすく徹底解説します。
PTC(保険クリーニング)とは?
PTCは「Professional Tooth Cleaning」の略称で、主に歯周病の検査や治療の一環として行われます。
歯科医院で行われる「歯石除去」や「簡易的な研磨」が中心となり、健康保険が適用されるため、比較的低コストで受けられるのが特徴です。
ただし、保険診療ならではのルールや制限もあるため、自由診療と比べるとサービス内容や回数には制約が生じる場合があります。
PTCの基本的な流れ
1. 歯周ポケットや歯石のチェック
歯周ポケットの深さや歯茎の状態を確認し、歯石の有無を調べます。
2. 歯石除去(スケーリング)
超音波スケーラーやハンドスケーラーを用いて、歯石を除去します。
通常は歯周病治療の一環で行われ、定期的なメンテナンスとしても利用されています。
保険適用範囲のため、1回あたりの患者さんの負担は比較的抑えられます。
保険適用の条件
PTCは、歯石除去や歯周病の治療として行われる場合に保険適用となります。
具体的には、歯周病の疑いがある、過去に歯周病の治療を受けている、歯科医師の判断で歯石除去が必要だと認められる場合などです。
ただし、歯周病治療の進行状況によっては、回数やスケジュールに制限がつくこともあります。
PMTC(自由診療クリーニング)とは
PMTCは「Professional Mechanical Tooth Cleaning」の略で、歯科医師や歯科衛生士が行う専門的な歯のクリーニングを指します。
基本的に自費(自由診療)となるため、保険が適用されない分、治療内容や使用する機材・薬剤などを幅広く選択でき、高度なケアが行えるのが特徴です。
歯科医院によって具体的なプログラムや費用は異なりますが、歯石除去や歯周ポケット内の洗浄、さらにはステイン除去やエアフローなど、より徹底したケアが期待できます。
PMTCの特徴
1.高度な機材と技術
歯と歯茎に負担をかけにくく、汚れを効率的に落とすことが可能です。
2.リスク部位の徹底クリーニング
歯と歯茎の境目や歯間など、ブラッシングでは行き届きにくい部分を重点的にケアします。
3.カスタマイズされたケア
一人ひとりに合わせたプランが可能です。
PMTCは、しっかりとした予防プログラム、より快適な口腔内環境を維持したい方に人気があります。
PTC(保険クリーニング)とPMTC(自費診療クリーニング)の違い
項目 | PMTC(自由診療クリーニング) | PTC(保険クリーニング) |
費用 | 数千~数万円 | 数百~数千円程度 |
目的 | 虫歯・歯周病予防、審美性の向上 | 歯周病の治療・歯石除去が中心 |
内容 | 着色除去・徹底研磨・口臭予防など | 歯石除去・簡単な研磨 |
使用機材・薬剤 | 自由に選択可能 | 保険治療範囲内のスケーラー |
所要時間 | 30~90分程度 | 20~30分程度 |
アプローチの範囲 | 歯周ポケット内やステイン除去など徹底ケア | 必要最低限の歯石除去・研磨 |
保険適用 | なし(自由診療) | あり(診断・条件に応じて) |
メンテナンス頻度 | 個々の状態に合わせ自由に設定可能 | 保険制度・治療計画に準ずる |
PTCとPMTCのメリット・デメリット
PTC(保険クリーニング)のメリット
1.経済的負担が少ない
保険適用のため、比較的安価で受けられます。
2.歯周病の基本治療として必須
保険治療の範囲内での効果を得られます。
3.定期的な受診がしやすい
費用面のハードルが低いので、気軽に定期ケアを受けられます。
PTC(保険クリーニング)のデメリット
1.自由度が低い
保険の規定に沿った範囲でしか処置を選べません。
2.時間・回数に制限がある場合がある
日本国内の保険制度で認められる回数(頻度)・内容には制限があります。
3 ステイン除去には限界がある
主目的が歯石除去と歯周病治療なので、着色除去に関しては十分な効果が得られない場合もあります。
PMTC(自由診療クリーニング)のメリット
1.徹底的なクリーニング
最新機材や多彩な薬剤を使うことで、歯と歯茎の隅々までケアできる可能性があります。
2.審美的な効果も期待できる
ステイン除去や歯面のツヤ出しなど、見た目の美しさも重視したい方に向いています。
3.オーダーメイド
保険の制約がないため、患者さん一人ひとりの口腔内に合わせたオーダーメイドのメインテナンスが行えます。
PMTC(自由診療クリーニング)のデメリット
1.費用が高い
保険適用外のため、1回あたりの費用が数千円~数万円かかる場合もあります。
2.歯科医院によって内容が異なる
診療方針や使用機材・薬剤が医院ごとに違い、費用や効果に差が出る場合があります。

どんなケースならPMTCがおすすめ?
歯周病リスクが高い方
歯ぎしり・食いしばりがある、歯列不正(歯並びの乱れ)があるなど、ブラッシングがしにくい方は、専門的なケアで歯を守ることが重要です。
より丁寧なメンテナンスを求める方
保険診療の制限なく、細部までしっかりケアし、最大限の予防効果を得たい場合にPMTCを選択する方が多いです。
歯の着色やステインが気になる
コーヒーや紅茶、タバコなどでできた着色を落としたい場合、PMTCは徹底的にステイン除去が期待できます。
山浦歯科医院における口腔ケアの取り組み
山梨県甲府市の山浦歯科医院では、歯科医師・歯科衛生士ともに豊富な経験を積んでおり、自由診療のPMTCでは、マイクロスコープを用いた丁寧なクリーニングを実施し、虫歯や歯周病予防を徹底的に行っております。
※予約時間90分 . 費用16.500円(税込み)
※初診時は検査が別に必要になります。
患者さま一人ひとりの状況に合わせた最適なケアをご提供していますので、甲府市周辺で歯でお悩みの方はお気軽にご相談ください。
※本記事は一般的な情報提供を目的としています。個々の症状や治療については必ず歯科医師に相談し、適切な診断や治療を受けてください。