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被せ物が取れたらどうする?放置リスクと歯科医院での治療法を現役の歯科医師が解説

  • 執筆者の写真: 山浦 泰明
    山浦 泰明
  • 3 日前
  • 読了時間: 9分

食事中に突然、銀歯やセラミックの被せ物が外れてしまった経験はありませんか?


その際、「痛みはないから大丈夫」、「忙しいから後で歯医者に行こう」と、つい後回しにしてしまう方も少なくありません。


しかし、被せ物が取れた状態を放置すると、虫歯の再発や歯の破折、最悪の場合は抜歯につながるリスクが潜んでいます。


本記事では、被せ物が取れたときの正しい応急処置から、歯科医院で行われる治療法、再発を防ぐためのポイントまで、山梨県甲府市の山浦歯科医院の院長が現役の歯科医師の視点でわかりやすく解説します。


突然のトラブルにも落ち着いて対処できるよう、ぜひ最後までお読みください。



被せ物が取れる主な原因とは

被せ物が取れる原因は一つではなく、複数の要因が複雑に絡み合っています。


長年使用している方も、最近治療を終えたばかりの方も、それぞれの状況に応じた原因が考えられます。


まずは、なぜ被せ物が外れてしまうのか、その背景にあるメカニズムを理解しておきましょう。


接着剤(セメント)の劣化による脱離

被せ物は、歯科用のセメント(接着剤)によって歯にしっかりと固定されています。


ただし、このセメントは永久に効果が続くわけではなく、唾液や食べ物、温度変化などの影響を受けて徐々に劣化していきます。


一般的に、保険診療で使用されるセメントの耐用年数は数年程度といわれており、徐々に接着力が弱まり、被せ物が浮いたり外れたりしやすくなる傾向があります。


特に以下のような状況では、セメントの劣化が進みやすくなります。


  • 硬い食べ物(氷、ナッツ、せんべいなど)を頻繁に食べている

  • 就寝中に歯ぎしりや食いしばりの癖がある


これらの習慣があると、セメントへの負担が大きくなり、想定よりも早い段階で被せ物が外れてしまうことがあります。


被せ物の下にできた虫歯(二次う蝕)

もう一つの大きな原因が、被せ物の下に発生する「二次う蝕(にじうしょく)」と呼ばれる虫歯です。


被せ物と歯の境目には、目に見えないわずかな隙間が生じることがあり、そこから細菌が侵入して内部の歯を溶かしていきます。


被せ物に覆われているため自覚症状が出にくく、気づいたときには虫歯がかなり進行しているケースも珍しくありません。


二次う蝕が進行すると、被せ物を支える土台の歯が脆くなり、ある日突然ポロッと外れてしまう事態を招きます。


痛みがないからといって安心はできず、むしろ被せ物が外れたことで初めて内部の虫歯に気づくことも多いのです。


定期的な歯科検診で被せ物の状態をチェックしてもらうことが、二次う蝕の早期発見につながります。


被せ物が取れたときにやるべき応急処置

被せ物が突然外れると、誰しも慌ててしまいますが、適切な応急処置を知ってさえいれば、トラブルを最小限に抑えることができます。


ここでは歯科医院を受診するまでの間に、自宅でできる対処法を順を追って紹介します。


取れた被せ物の正しい保管方法

まず、外れた被せ物を捨てずに保管することです。


状態が良ければ同じ被せ物を再装着できる可能性があり、新しく作り直すよりも費用と時間を大幅に節約できます。


保管の際は、以下の点に注意しましょう。


  • 清潔なティッシュやガーゼで包み保管しておく

  • アルコールや熱湯、漂白剤などで洗浄しない

  • 自分でセメントや接着剤を使って戻そうとしない

  • 飲み込まないよう、食事中に外れた場合は特に注意する


被せ物は小さく、紛失しやすいため、外れた直後にすぐ確保することが大切です。


また、市販の接着剤で無理に戻そうとすると、噛み合わせがずれたり、歯を傷つけたりする恐れがあるため、必ず歯科医院で処置を受けるようにしてください。


露出した歯を守るためのケア

被せ物が外れた部分の歯は、内部の象牙質や神経に近い組織が露出している状態も多いです。


そのため、冷たい飲み物や熱いものがしみたり、噛むと痛みを感じたりすることがあります。


歯科医院を受診するまでの間は、外れた側で硬いものを噛まず、反対側の歯で食事をするように心がけてください。


また、歯磨きの際は外れた部分も優しくブラッシングし、食べかすが詰まったまま放置しないようにしてください。


できるだけ早く歯科医院を受診することが重要です。


被せ物を放置すると起こる5つのリスク

「痛くないから」「目立たない場所だから」と、被せ物が取れた状態を放置してしまう方がいますが、これは非常に危険です。


短期間であっても、口腔内では様々な変化が起こり始めます。


被せ物の放置によって引き起こされる主なリスクは、次の通りです。

リスク

内容

虫歯の再発・悪化

露出した歯質に細菌が侵入し、虫歯が急速に進行

歯の破折

支えを失った歯が噛む力に耐えきれず割れる

噛み合わせのズレ

隣の歯や対合歯が移動し、全体のバランスが崩れる

歯周病の進行

段差部分に汚れが溜まり、歯ぐきに炎症が起こる

抜歯のリスク

上記の問題が複合し、最終的に歯を残せなくなる

放置期間が長くなるほど治療の難易度が上がり、最悪の場合は歯そのものを失う結果につながります。


できる限り早めの受診を心がけましょう。


5つのリスクの中でも、特に深刻なのが「歯の破折」と「抜歯」です。


被せ物は単なる見た目を整えるためのものではなく、弱った歯を保護し、噛む力を分散させる重要な役割を担っています。


それが失われると、残された歯質に直接的な力がかかり、ひび割れや破折が起こりやすくなります。


また、歯が大きく割れてしまった場合、被せ物の再装着では対応できず、抜歯せざるを得ないケースもあります。


抜歯後はインプラントやブリッジ、入れ歯などの治療が必要となり、治療期間も費用も大幅に増えてしまうため、被せ物が取れたら早期の対応を強くおすすめします。


歯科医院で行われる治療法

歯科医院を受診すると、まず口腔内の状態を詳しく検査した上で、最適な治療方針が決定されます。


被せ物が取れた原因や歯の状態によって選択される治療法は異なりますが、代表的な治療パターンを知っておくと、受診時にスムーズに相談ができます。


元の被せ物を再装着するケース

外れた被せ物の状態が良好で、内部の歯にも大きな問題がない場合は、元の被せ物をそのまま再装着できることがあります。


この場合の治療の流れは以下のようになります。


  1. 外れた被せ物の適合状態をチェック

  2. 歯の表面と被せ物の内側を清掃・消毒

  3. 必要に応じて細部を調整

  4. 新しいセメントで再装着し、噛み合わせを確認


再装着が可能なケースでは、1回の通院で治療が完了することが多く、費用も比較的抑えられます。


ただし、再装着できるかどうかは歯科医師による精密な診断が必要であり、自己判断は禁物です。


被せ物の変形や欠けがある場合、内部に虫歯がある場合は、再装着ではなく別の治療が選択されます。


新しい被せ物を作り直すケース

被せ物が壊れていたり、内部に虫歯が見つかったりした場合は、新しい被せ物を製作する必要があります。


この場合、まず虫歯の治療や土台の修復を行い、その上で型取りをして新しい被せ物を装着します。


治療期間は通常2〜4週間程度となり、複数回の通院が必要になります。


新しく作り直す際には、被せ物の素材を選ぶことができます。

素材

特徴

保険適用

耐久性

銀歯(金銀パラジウム合金)

強度があるが見た目が金属色

適用

比較的高い

CAD/CAM冠(白い樹脂)

白くて目立ちにくいが摩耗しやすい

一部適用

やや低い

セラミック

自然な白さで審美性も高く変色しにくい

適用外

高い

ジルコニア

非常に硬く審美性も高い

適用外

高い

それぞれの素材にはメリットとデメリットがあり、噛む力の強さや治療する歯の位置、見た目への配慮、予算などを総合的に考慮して決定します。


長く快適に使い続けるためには、歯科医師としっかり相談し、納得した上で選ぶことが重要です。


被せ物を長持ちさせるための予防習慣

せっかく治療した被せ物を、できるだけ長く快適に使い続けるためには、日々のケアが欠かせません。


再び外れたり、トラブルを起こしたりするリスクを減らすために、今日から実践できる予防習慣を紹介します。


毎日のセルフケア

被せ物を長持ちさせる最大の鍵は、毎日の丁寧な歯磨きです。


被せ物そのものは虫歯になりませんが、その境目から二次う蝕が発生することが多いため、特に歯と被せ物の境目を意識して磨くことが重要です。


効果的なセルフケアのポイントは次の通りです。


  • 1日2〜3回、食後にきちんと歯磨きをする

  • フッ素配合の歯磨き粉を使用する

  • デンタルフロスや歯間ブラシで歯と歯の間も清掃する

  • やわらかめの歯ブラシで歯ぐきを傷つけないよう優しく磨く

  • 就寝前のケアは特に念入りに行う


これらを習慣化することで、プラークの蓄積を防ぎ、二次う蝕や歯周病のリスクを大きく下げることができます。


また、歯ぎしりや食いしばりの自覚がある方は、ナイトガード(マウスピース)の使用を歯科医師に相談すると、被せ物への負担を軽減できる可能性があります。


定期検診の重要性

セルフケアと並んで欠かせないのが、歯科医院での定期検診です。


被せ物の状態は、見た目だけでは判断が難しく、専門的な視点でのチェックが必要となります。


一般的には3〜6ヶ月に一度の検診が推奨されており、検診では、被せ物の適合状態、二次う蝕の有無、歯ぐきの健康状態、噛み合わせのバランスなどを総合的にチェックします。


問題が小さいうちに発見できれば、簡単な処置で対応でき、被せ物を作り直す必要もなくなります。


また、専門的なクリーニング(PMTC)を受けることで、自分では落としきれない汚れも除去でき、口腔内全体の健康維持につながりますので、定期検診は「予防のため」と考え、習慣として取り入れていただくことをおすすめします。


被せ物治療なら山梨県甲府市の「山浦歯科医院」

被せ物が取れてしまったときは、決して放置せず、できるだけ早く歯科医院を受診することが大切です。


早期の対応によって、虫歯の進行や歯の破折、最終的な抜歯といったリスクを大幅に減らすことができます。


また、新たに被せ物を作り直す場合も、素材やライフスタイルに合わせた選択肢があり、歯科医師とよく相談しながら自分に合った治療を選ぶことが重要となります。


日々のセルフケアと定期検診を組み合わせることで、被せ物を長く快適に使い続けることが可能です。


山梨県甲府市の山浦歯科医院では、被せ物のトラブルに対する丁寧な診察と、患者さま一人ひとりに寄り添った治療を心がけております。


突然のトラブルから、長期的な予防までしっかりサポートいたしますので、お口のお悩みがある方はお気軽にご相談ください。


​院名

院長

住所

山梨県甲府市丸の内二丁目33-8

診療時間

午前:8:30〜12:30

午後:14:00〜18:00

休診日

木・日・祝日

電話番号

055-222-2272


※本記事は一般的な情報提供を目的としています。個々の症状や治療については必ず歯科医師に相談し、適切な診断や治療を受けてください。


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